クッキーはブルボンで

ボクん家の近所に建て売り住宅ができた
それの広告がボクん家のポストに入っていた
何気なく見てみた
いきなり目に飛び込んできた小さい地味な文字
「駅から徒歩３０分」
ふふっ
ここまでくると徒歩という名のスポーツだ
笑うしか無いがごもっとも
この町には駅が無いからだ
東京で３０分歩いたら
駅４つぐらいあるんじゃん？
と心からの独り言

ついでに
ちょっと想像してみた

若い頃からず～っと真面目に働いて
結婚して、妻も働いて
共稼ぎで少しずつ貯めたお金で家を買う！
３５年もローンを組んだのだが
念願のマイホームを手に入れた
喜びを胸に今日も元気に
「行ってきま～す！！」のパパ
一方
親の負担を少しでも減らそうと
一生懸命勉強して
ちょっと遠いが
お金の安～い公立高校に合格した娘
都会からはどんどん離れて行く
自分の遊び場に多少の不満はあるが
念願のマイルームを手に入れた
喜びを胸に今日も元気に
「行ってきま～す！！」

それを受け
「行ってらっしゃ～い！」
とこれまた元気に送り出すママ

そして４０分後

ピンポ～ン

「ハ～イ！」とママ

玄関のドアを開けると
そこにはパパと娘

「どうしたの？二人とも？？」

すると汗をふきふき
パパが答える
「２０分歩いたら疲れちゃって…　へへっ」
娘も負けずに
「疲れてるパパ見てたら
私も疲れちゃった…　へへっ」

「へへっじゃないでしょ二人とも！！
今日で何日会社も学校も休んでると思ってんの！！！
新しいお家に引っ越してきてからまだ１回も行ってないじゃないの！！！！」

「まったく！二人を怒ってたらママも疲れちゃったわ！
コーヒーいれるからクッキーでも出しといてちょうだい！」

などと言いながら
３人はどんどん家から出なくなってしまう
太って行くのを中年とストレスのせいにして…

だから田舎の生活には車が必要なのですね。